関根大輝、「簡単ではなかった」から始まった不動の座
夏にスタッド・ランスからホルシュタイン・キールへ加入した関根大輝が、ここまでの公式戦7試合すべてで先発し、リーグ戦6試合とDFBポカール1回戦を通じてチーム2番目に多い629分をプレーしている。クラブ公式は9月25日、関根単独の特集記事を公開した。
現地はこう書いた
クラブ公式は、開幕から一度もベンチを温めていない関根の起用をこう記録している。
Sekine verpasste bisher lediglich eine einzige Spielminute, als er zuletzt gegen den VfL Osnabrück kurz vor Schluss ausgewechselt wurde. […] Bisher setzte Walter durchweg auf den 24-Jährigen, sodass dieser nach Phil Harres (630 Minuten) die meisten Einsatzzeiten (629 Minuten) in den bisherigen sieben Pflichtspielen sammelte.
(関根がこれまで見送った出場時間は、直近のVfLオスナブリュック戦終盤に交代した際のわずか1分だけだ。[…]ここまでティム・ヴァルター監督は一貫して24歳を起用し続けており、これまでの公式戦7試合でフィル・ハレス(630分)に次いでチーム2番目に多い629分の出場時間を積み上げている。)
だが、この「不動の座」は最初から約束されていたわけではないと、本人は明かしている。
„Am Anfang war es ehrlich gesagt gar nicht so einfach für mich, das Spielsystem zu verstehen“, verrät Sekine über seine Anfangszeit in Kiel. „Aber der Trainer hat mir viele Dinge genau erklärt. Das war sehr hilfreich.“
(「正直に言うと、最初はシステムを理解するのが決して簡単ではありませんでした」とキール加入当初を振り返る関根。「でも監督が多くのことを細かく説明してくれた。それがとても助けになりました」)
出典: Hiroki Sekine: Direkt Dauerbrenner(ホルシュタイン・キール公式、2026年9月25日)
「不動」の見出しの裏にあった戸惑い
クラブ公式がこの特集につけた見出しは「Direkt Dauerbrenner」(加入直後からの常連)というものだった。実際、関根は開幕から公式戦7試合すべてで先発し、唯一欠いた1分もオスナブリュック戦終盤の交代によるものにすぎない。数字だけを見れば「即戦力」以外の言葉が見当たらない。
だが本人の言葉は、その見出しが示すほど滑らかな話ではないことを教えている。「システムを理解するのが簡単ではなかった」というのは、加入直後の外国人選手が口にしがちな社交辞令ではなく、具体的な壁として語られている。それを埋めたのが「監督が細かく説明してくれた」という関係で、ヴァルター監督の指導が、単に関根を起用し続けたという事実以上の意味を持っていたことになる。戸惑いを言語化できる選手が、その戸惑いを乗り越えた記録として629分がある。
この629分という数字は、関根自身の来歴と並べるとさらに際立つ。今年1月に柏レイソルからフランス2部・スタッド・ランスへ渡った関根は、残留争いのただ中でシーズンを終え、プレーオフでFCメスに敗れて降格を喫した。その一方で同じシーズン、ランスはクープ・ド・フランス決勝まで勝ち上がっている。
„Wir haben vor 77.000 Zuschauern in diesem tollen Stadion gegen Spieler wie Bradley Barcola, João Neves oder Ousmane Dembélé gespielt“, erinnert sich Sekine, der 90 Minuten auf dem Feld stand. „Wir haben zwar leider mit 0:3 verloren, es war aber trotzdem ein besonderes Erlebnis.“
(「7万7000人の観客が入ったあの素晴らしいスタジアムで、ブラッドリー・バルコラやジョアン・ネベス、ウスマン・デンベレのような選手たちと戦いました」と関根は振り返る。90分間フル出場した。「0-3で負けてしまいましたが、それでも特別な経験でした」)
降格というクラブ史上の苦い結末と、PSGの主力を相手にしたカップ決勝でのフル出場が、同じシーズンに同居していた。その振れ幅の大きい1年を経て、関根はキールというブンデスリーガ2部のクラブで、今度は「不動」という評価を積み上げている。
日本代表としては、2025年6月から9月にかけて3試合に出場したが、その後は招集が途絶え、ワールドカップメンバー入りも果たせなかった。だが開幕戦のダルムシュタット戦では、同じ高校のチームメイトだった古川陽介(ダルムシュタット98)と対戦し、旧知の仲との対戦を懐かしんでいる。また、日本代表の守護神を託されている親友・鈴木彩艶の活躍を、ドイツから見守っていたことも明かした。
クラブ公式は、ドイツ1部・2部でプレーする日本人が現在27人と過去最多になったことにも触れており、関根自身は「日本サッカーはここ数年で大きく進化した。日本人選手は総じて技術的なレベルが高い」と説明。個人的に親交のある選手として、福田師王(カールスルーエ)・三好康児(ボーフム)・鈴木唯人(フライブルク)・板倉滉(ボルシアMG)の名を挙げている。キールでは安部大晴・髙橋仁胡としばしば食事に出かけ、定番はパスタ・カルボナーラだという。クラブでの立場も、代表への道も、まだ「これから」の途中にある。
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