定位置のはずの鈴木彩艶、なぜかカップ戦は後半のみの出番
9月16日、カラバオ杯3回戦のコヴェントリー戦。アストン・ヴィラの先発ゴールキーパーは、今季のプレミアリーグとチャンピオンズリーグを一貫して守ってきた鈴木彩艶ではなく、マルコ・ベイゾットだった。だがハーフタイムでその序列は入れ替わり、鈴木は後半だけをプレーしている。試合はヴィラが3-1で勝ち、カップ4回戦に進んだ。
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現地はこう書いた
出典: Coventry City 1-3 Aston Villa(コヴェントリー・シティ公式、2026年9月16日)
コヴェントリー公式の試合レポートは、後半開始の場面をこう記録している。
The first chance of the half was a strike from Hamer which was watched over by substitute goalkeeper Zion Suzuki, who replaced Bizot at half-time.
(後半最初のチャンスはハメルのシュートで、ハーフタイムにベイゾットに代わって入った途中出場のゴールキーパー、鈴木彩艶がそれを見送った。)
試合はヴィラが3点目を挙げて突き放したあと、終盤にコヴェントリーが反撃を試みる。75分の場面を、同じレポートはこう描写している。
Torp was denied a second in the 75th minute by Suzuki. The Dane reacted quickest to Latibeaudiere’s cross but the Japanese keeper held the bouncing ball.
(75分、トルプは2点目を鈴木に阻まれた。デンマーク人のトルプがラティボディエールのクロスに最も早く反応したが、この日本人ゴールキーパーは跳ねるボールを掴んで抑え込んだ。)
それがどういう意味か
鈴木は9月8日のクラブ・ブルージュ戦でチャンピオンズリーグに出場した初の日本人ゴールキーパーとなり、9月12日のノッティンガム・フォレスト戦でも先発してプレミアリーグの全試合を守ってきた。その2試合の4日後、格下との一発勝負であるカップ戦で先発から外れたのは、今季ここまでの起用のされ方とは異なる。
エメリ監督は今節、前節のフォレスト戦から7人を入れ替えており、ベイゾットの起用もその一環だったと説明できる。だがゴールキーパーを試合の途中で入れ替えるのは、出場機会を分け合わせる交代とは性質が違う。負傷者が出たという記述はクラブ公式のどこにもなく、なぜハーフタイムでの交代だったのかは分からないままだ。
その上で、鈴木が実際にプレーした45分間の中身を見ると、彼の仕事は明確だった。3-1とヴィラが2点リードを奪ったあとの75分、コヴェントリーで最も勢いに乗っていたトルプ(この試合ですでに直接フリーキックを決めている)に、こぼれ球を押し込まれかけた場面である。ここで失点していれば3-2、終盤の10分間はまったく違う緊張感の中で戦うことになっていた。「跳ねるボールを掴んだ」という一見地味な一文が、試合の残り15分の性格を決めている。
何がまだ分からないか
なぜ前半をベイゾットが、後半を鈴木が担当する形になったのかは、クラブ公式のどの記事にも説明が無い。負傷交代でないなら、コンディション管理なのか、次節トッテナム戦へ向けた温存なのか、次のクラブ公式の会見記事で確認する価値がある。
この分担が今後のカップ戦でも続くのかも分からない。次のラウンド4はボーンマスとのアウェー戦になる。そこでも同じ起用が繰り返されれば、今回が一度きりの采配だったのか、エメリ監督のカップ戦での方針なのかが見えてくる。
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