菅原由勢『唯一の日本人』初招集、覚悟のセリエA
菅原由勢が2026年9月1日、サウサンプトンからカリアリへ期限付き移籍(買取オプション付き)で加入した。クラブ史上初の日本人選手である。
現地はこう書いた
クラブ公式は9月10日、加入インタビューを掲載した。移籍市場の締切間際だったという決断の速さを、菅原自身がこう振り返っている。
“Ho dovuto prendere una decisione molto rapidamente, a pochissimi giorni dalla chiusura del mercato, ma è stato molto facile. Quando il Cagliari mi ha cercato, ho detto subito di sì.”
(市場が閉まる直前で、決断はとても速くしなければならなかった。でも、とても簡単だった。カリアリが声をかけてくれたとき、すぐに「はい」と言った。)
その決断の背景には、幼い頃からの願いがあったという。
“Ho sempre desiderato venire a giocare in Serie A perché ci sono stati grandissimi giocatori giapponesi, come Nagatomo, Honda, Nakata e tanti altri.”
(セリエAでプレーすることはずっと望んでいた。長友、本田、中田といった偉大な日本人選手たちがいたから。)
出典: INTERVISTA | Yukinari Sugawara si racconta(カリアリ公式・2026年9月10日)
インタビューでは、「いまセリエAでプレーする日本人は自分だけだ」という自覚についても、踏み込んだ言葉を残している。
“Sono l’unico giapponese che gioca in Serie A in questo momento […] Se giocherò male, magari penseranno che i giapponesi non siano abbastanza bravi. Ma se farò bene, al contrario, ancora più persone capiranno che noi giapponesi abbiamo qualità.”
(いま、セリエAでプレーする日本人は自分だけだ。……もし自分がうまくプレーできなければ、日本人はあまり上手くないと思われるかもしれない。でも逆にうまくやれば、もっと多くの人が、我々日本人にも力があると理解してくれるはずだ。)
中田英寿については、こう語っている。
“È uno dei nomi più importanti in Giappone perché ha vinto lo Scudetto con la Roma […] Diventare come lui? Magari, sarebbe il massimo, ma tutto passa dal lavoro e dall’ambizione di ottenere sempre qualcosa in più.”
(彼は日本で最も重要な名前の一人だ。ローマでスクデットを獲っているから。……彼のようになれるか?そうなれたら最高だが、すべては努力と、常にもっと上を求める向上心にかかっている。)
翌9月11日、ピサカーネ監督はアタランタ戦(アウェー)を前にした会見で、菅原の初招集を発表した。
“Sugawara è a disposizione, sarà della gara. […] Ha qualità, un bel piede, non a caso è bravo anche nel calciare le punizioni […] Sa difendere, ha una buona frequenza di passo, sa giocare anche dentro il campo.”
(菅原は使える状態にあり、この試合のメンバーに入る。……質があり、良い足を持っている。セットプレーのキックも巧い。……守備もできるし、動きのテンポも良く、中に入ってプレーすることもできる。)
出典: SALA STAMPA | Mister Pisacane prima di Atalanta-Cagliari(カリアリ公式・2026年9月11日)
それがどういう意味か
この2つの発言は、加入からわずか10日の間に出ている。移籍の速さと、招集の速さが釣り合っている。
菅原自身が「唯一の日本人」という立場を、重圧としてではなく動機として語っている点は注目に値する。「うまくやれば日本人の評価が上がる」という言い方は、個人の出来不出来を日本人選手全体の評価に結びつける発想であり、本人がその重さを引き受けたうえで招集に応じたことを示している。
監督の発言も、セットプレーのキックという具体的な技術に触れている点で、単なる歓迎の言葉ではない。「使える選手」として見ていることが分かる。
何がまだ分からないか
この記事の時点で、アタランタ戦はまだ行われていない。ピサカーネ監督は菅原を「試合のメンバーに入る」と述べたが、これは招集の発表であって、先発するか、途中出場か、あるいは出番が無いままベンチに終わるかは分からない。
セリエAでの初めてのプレー時間がどれくらいになるかも分からない。インタビューでの「セットプレーが得意」「守備もできる」という監督評が、実際のピッチでどう表れるかは、この試合以降を見る必要がある。
菅原本人による、この試合そのものについてのコメントはまだ無い。
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