佐野航大、「奪うタイプ」から一転 PSV公式初ゴール

2026.09.18 佐野航大
Kovár Dest Geertruida Obispo Mauro Júnior Til Sano Mijnans Wanner Bajraktarevic Bouhamdi
PSVの先発(4-3-3)。佐野航大は39分に得点し、90分間フル出場した 4-3-3 出典: 先発11人はPSV公式マッチセンター(ラインアップ)。中盤3人(ティル・佐野・マイナンス)はクラブ公式選手ページの登録ポジション(いずれもMiddenvelder)に基づく。左右の配置は公式に明示が無いため掲載順に並べている

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9月13日、エールディビジ第6節。PSVはホームでスパルタ・ロッテルダムに4-1で勝利した。試合を決めたのはスヴェン・マイナンスのハットトリックだが、39分には佐野航大がクラブ公式戦での初ゴールを記録している。

3日前の9月10日、UEFAチャンピオンズリーグ初陣の会見で、ペーテル・ボス監督は佐野を「予測してボールを多く奪うタイプ」と評していた。この試合で佐野が見せたのは、その評とは違う形の一撃だった。

現地はこう書いた

PSV公式のライブテキストは、39分の得点をこう記録している。

Kodai Sano haalt hard uit en ziet de bal in het doel verdwijnen achter doelman Brouwer: 2-1. PSV op voorsprong en de eerste treffer in het rood-wit voor Sano.

(佐野航大が強く振り抜き、ボールはブラウワー守門の背後、ゴールの中に消えていった。2-1。PSVがリードを奪い、佐野にとって赤白の縦縞での初ゴールとなった。)

出典: PSV - Sparta Rotterdam(PSV公式・マッチセンター・ライブテキスト)

試合翌日に公式が出した振り返り記事は、このゴールをこう位置づけている。

Ook Kodai Sano was trefzeker. Hij maakte in de wedstrijd zijn eerste officiële doelpunt voor PSV. Met een hard schot van een afstand zorgde hij voor de 2-1. Sano legde met zijn goal de basis voor een sterkere start aan de tweede helft.

(佐野航大も得点した。この試合で彼はPSVでの公式戦初ゴールを決めている。遠目からの強いシュートで2-1とし、佐野のこのゴールが、より強い形で後半へ入るための基盤になった。)

出典: Nabeschouwing | PSV herovert koppositie in laatste thuiswedstrijd september(PSV公式)

試合後の記者会見では、なぜスパルタに何度もチャンスを与えたのかと問われたボス監督が、佐野の名を挙げている。

Kodai en Paul hebben bijvoorbeeld ook tegen Shakhtar gespeeld en dat voel je wel als je twee dagen later weer moet spelen.

(コーダイやポールなどはシャフタール戦にも出場していた。2日後にまた試合をするとなると、それはやはり感じるものだ。)

出典: Persconferentie | ‘Die goal zie ik vrijwel iedere dag op de training’(PSV公式)

それがどういう意味か

3日前の記事で書いたとおり、ボス監督は佐野を「フェールマンとはまったく別のタイプ。フェールマンには自分のパスがある。佐野はより予測して動き、ボールを多く奪うタイプだ」と説明していた。守備でのボール奪取を持ち味とする選手、という評価だった。

この試合で佐野が記録したのは、まったく違う種類のプレーである。ボールを奪う場面ではなく、遠目から強く振り抜いた一撃がそのままゴールに沈んだ。振り返り記事が「遠目からの強いシュート」と書き、それが「後半へ入るための基盤になった」とまで位置づけているのは、単発のラッキーゴールではなく、試合の流れを動かした一撃として公式が扱っていることを示している。

数字でも裏が取れる。クラブ公式の選手ページによれば、この試合を終えた時点で佐野は今季6試合出場・出場時間478分・シュート9本(5本が枠内)・得点1。この記事の前の集計(9月13日時点・5試合388分・シュート8本中4本枠内・得点0)と比べると、この試合で佐野が放ったシュートはちょうど1本だけで、それが枠内に飛び、そのままゴールになった計算になる(いずれも自分で計算)。決定機を量産するタイプではないという評価と、この試合のシュート効率は矛盾しない。むしろ「多くは撃たないが、撃てば入る」という、これまでの評価に数字が追いついてきた形とも読める。

もう一つ、ボス監督の会見の言葉には注意が必要である。「コーダイやポールもシャフタール戦に出た」という発言は、佐野の得点を称える文脈では全く無い。スパルタに何度もチャンスを与えた守備の緩みを、中2日の連戦による疲労で説明した一節であり、佐野はその「疲れていたはずの選手」の実名として挙げられている。同じ選手が、疲労を指摘された文脈と、決勝ゴールに直結した文脈の両方に、同じ試合の中で名前を残した。

何がまだ分からないか

この一撃が今後も続く形なのか、この試合限りのものなのかは、次節以降を見なければ分からない。ボス監督の従来の評価(予測してボールを奪うタイプ)が変わったと言えるほどの根拠は、まだこの1試合しかない。

シュートの実際の距離や角度は、公式の記述からは分からない。「遠目から」「a hard schot van een afstand」という表現はあるが、具体的な距離(メートル数)は書かれていない。

中2日の連戦がこの試合の佐野自身のプレーにどう影響したかも、監督の発言からは特定できない。ボス監督が触れたのはチーム全体の守備強度についてであり、佐野個人のパフォーマンスへの影響を直接評価した発言ではない。90分間フル出場を続けている以上、疲労が出場そのものを制限した形跡は今のところ無い。

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