佐野航大、CL初陣完走 ボス監督「フェールマンとは違う」

2026.09.13 佐野航大
Kovár Dest Geertruida Obispo Kostic Til Sano Wanner Perišic Pepi Van Bommel
PSVの先発(4-3-3)。佐野航大は途中交代なく90分間プレーした 4-3-3 出典: PSV公式のマッチセンター(先発・交代記録)。左右の配置は公式に明示が無いため、掲載順に並べている

佐野航大が9月10日、UEFAチャンピオンズリーグの自身初陣に先発した。相手はシャフタール・ドネツク、結果は1-1。90分間、途中交代はなかった。

試合後の記者会見で、ペーテル・ボス監督は佐野についてこう聞かれている。「佐野をどう見た?」

現地はこう書いた

In de eerste helft had hij nog wat last van plankenkoorst. Dat is normaal natuurlijk. Hij kon een paar keer opendraaien en deed dat dan niet. Of deed dat te gehaast. Maar hij kwam er wel beter in.

(前半は彼にもいくらか初舞台の硬さがあった。もちろんそれは普通のことだ。体を開いてプレーできる場面が何度かあったのに、そうしなかった。あるいは急ぎすぎた。だが、そこからは良くなっていった。)

続けて、同じ中盤を組むヨーイ・フェールマンとの違いを聞かれ、ボス監督はこう答えている。

Het zijn hele andere types. Joey heeft zijn pass, Kodai is meer iemand die anticipeert en ook veel ballen veroverd.

(二人はまったく別のタイプだ。ヨーイには自分のパスがある。航大はより予測して動き、ボールを多く奪うタイプだ。)

出典: Persconferentie | ‘Al met al een terecht resultaat’(PSV公式・2026年9月10日)

それがどういう意味か

チャンピオンズリーグの初陣には、硬くなって普段の出来を出せない、という筋書きがつきものだ。ボス監督の言葉も、前半についてはそれを認めている。体を開けたのに開かなかった、急ぎすぎた——本人が挙げた2つの場面は、力が入って本来の判断が遅れていたことを示している。

ただし監督はそこで話を終えていない。「だが、そこからは良くなっていった」と続けたうえで、フェールマンとの比較で佐野を語り直している。フェールマンはパスの選手、佐野は予測とボール奪取の選手——これは、この試合限りの評価ではなく中盤でのポジションそのものの説明になっている。

この対比には、試合の文脈がもう一つ重なる。ボス監督は同じ会見で、終盤に攻め急がなかった理由をこう説明していた。

We gaven niks weg, maar in balbezit konden we ook niet meer risico nemen dan we nu deden.

(我々は何も明け渡さなかったが、ボールを持ったときにも、実際にやった以上のリスクは冒せなかった。)

つまりこの試合のPSVは、リスクを冒さず、相手のロングボールを跳ね返すことを優先した試合運びだった。佐野に与えられた「予測して奪う」という評価は、この守備的な試合運びの中でこそ意味を持つ言葉だと読める。

何がまだ分からないか

佐野が実際に何本のボールを奪ったか、何回インターセプトしたかという数字は、会見にも試合記録にも出ていない。「多くのボールを奪う」という評価は監督の言葉であって、独自の集計値に基づくものではない。次にPSV公式が個々の選手のスタッツを出す機会があれば、確かめる価値がある。

前半の「硬さ」が具体的にどの場面を指していたのかも、監督の言葉以上には分からない。「体を開けたのに開かなかった」というのは抽象的な表現で、何分の、どの場面かは特定できていない。

なお、佐野は今シーズンここまで公式戦5試合に出場し、出場時間は388分(途中出場は1度のみ)。シュート8本のうち4本が枠内で、警告は1。ほとんどの試合で先発の座を得ている数字だが、この日のような欧州の舞台での起用がどこまで定着するかは、次節以降を見なければ分からない。

出典: Kodai Sano(PSV公式・選手ページ、2026年9月13日時点の集計)

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