小杉啓太、チームメートの称賛に「満足はしていない」
小杉啓太は今季ここまでの公式戦、DFBポカールとブンデスリーガ2試合をすべて90分フル出場している。フランクフルト公式のインタビューで本人がそう振り返った。だが並んだ言葉は、称賛ではなく「まだ満足していない」だった。
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現地はこう書いた
インタビューでは、直前のアウクスブルク戦(1-4敗戦)の後、チームメートのアンスガー・クナウフが小杉を「良い道を歩んでいる」と評したことが取り上げられている。それに対する本人の答えはこうだ。
Zu hören, dass Ansgar diese Worte über mich gewählt hat, ist sehr schön, das freut mich.
(アンスガーが僕についてそう言ってくれたと聞くのは、とても嬉しいことです。)
だがその直前、今季の出来を聞かれた小杉は、まったく違う言葉を選んでいた。
Mit meinen Leistungen bin ich aber nicht 100-prozentig zufrieden, ich kann und muss es besser machen. Besser, besser, besser.
(自分のプレーには100パーセント満足していません。もっと良くできるし、もっと良くしなければならない。良く、良く、もっと良く。)
加入の経緯についても語っている。1月にスウェーデンのユールゴーデンIFから加入したが、公式戦で出番を得られない時期がしばらく続いた。
Ich sage es mal so: Auf diesen Moment habe ich gewartet, seit ich hierhergekommen bin. Die erste Jahreshälfte war nicht einfach für mich, entsprechend habe ich mich darauf gefreut, endlich zu spielen.
(こう言えると思います。この瞬間を、ここに来てからずっと待っていました。最初の半年は自分にとって簡単ではありませんでした。だからこそ、ようやくプレーできることを楽しみにしていました。)
ユールゴーデンでの経験と、ブンデスリーガとの差についてはこう表現した。
Alles ist anders: die Bedingungen und Räumlichkeiten, die Stadien, die Fans, die Intensität, das Leistungsniveau. In Schweden wird guter Fußball gespielt, aber die Bundesliga ist einige Stufen darüber – ein großer Schritt.
(すべてが違います。コンディションや設備、スタジアム、ファン、インテンシティ、レベル。スウェーデンでも良いサッカーはやっていますが、ブンデスリーガはそれより何段階も上です。大きな一歩でした。)
出典: „Auf diesen Moment habe ich gewartet“(アイントラハト・フランクフルト公式、2026年9月11日)
それがどういう意味か
クナウフの称賛を、小杉は否定していない。「嬉しい」と受け止めている。だがその1つ前の質問、自分自身の出来についての質問には、称賛と違う答えを返している。
チームメートの評価と本人の自己評価は、同じ選手について語りながら噛み合っていない。
その自己評価の厳しさは、抽象的な精神論では終わっていない。試合内容を問われた小杉は、こう続けている。
Wir haben zu viele Gegentore kassiert, das betrifft mich als Verteidiger auch direkt.
(失点が多すぎました。これは守備者である僕にも直接関わることです。)
「良く、良く、もっと良く」という自己採点は、左サイドバックとしての失点への言及と1つにつながっている。開幕からの2試合でチームは5失点しており(このうちアウクスブルク戦の後半開始2分間については別記事で扱った)、小杉自身がその責任の一端を自分の守備に引き寄せて語っている。
比較の軸になるのは、加入前の経歴である。ユールゴーデンIFでの62試合という数字ではなく、本人が口にした「何段階も上」という言葉のほうが実感に近い。カンファレンスリーグ準決勝まで進んだクラブでの経験を踏まえたうえで、ブンデスリーガとの落差をそう言い切っている。
「最初の半年は簡単ではなかった」と本人が振り返る待機期間の長さと、ようやく掴んだ出番への手応えの薄さは、この「何段階も上」という一言に集約されている。
堂安律への言及も、単なる社交辞令ではない。「彼は既に何度も、僕のプレーについて重要な助言をくれた」と、小杉は具体的な師弟関係として語っている。同じフランクフルトの一次情報は、9月12日のマインツ戦でも小杉が先発フル出場したと伝えており(堂安の記事)、このインタビュー時点での「全試合フル出場」はその後も続いている。
何がまだ分からないか
堂安が具体的にどんな助言をしたのかは、このインタビューには出てこない。「僕のプレーについて」とだけで、守備の位置取りなのか、攻撃参加のタイミングなのか、内容は本人の言葉として語られていない。
自己評価の厳しさが、次の試合でどう変わるかも分からない。マインツ戦は3-1の勝利で終わっており、チームは今季初勝利を挙げた。失点を自分に引き寄せて語っていた小杉が、勝った試合の後にどんな言葉を選ぶのか。次にクラブ公式が出す「Stimmen」記事を見る価値がある。
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