伊東純也が蹴った「数秒前の一本」がヘンクを16強に導く
ベルギーの国内カップ戦、クロキー杯16強進出をかけた10月17日のビルトン戦で、KRCヘンクが2-0で勝利した。前半30分に生まれた2点目は、伊東純也が数秒前に通したスルーパスから始まっている。
ヘンク公式が実況した「数秒前の一本」
出典: KRC Genk vlot naar achtste finales Croky Cup(KRCヘンク公式、2026年10月17日)
前半20分、カイェンベのクロスにヘイマンスが頭で合わせてヘンクが先制した。その10分後、2点目の場面をクラブ公式はこう描写している。
Ito had hem enkele seconden eerder alleen voor doel gezet met een mooie steekbal.
(訳:数秒前、伊東が見事なスルーパスでデュロシンミをゴール前で一人にしていた。)
Op het halfuur slaagde Durosinmi daarin met een goed schot in de linkerbenedenhoek.
(訳:前半30分、デュロシンミが左下隅への見事なシュートでこれを決めた。)
試合はそのまま2-0で終わり、ヘンクはベスト16進出を決めた。組み合わせ抽選は18日に行われ、次戦は25日のホーム・スタンダール戦になる。
試合後は3人がコメントを残した。得点者のヘイマンスは大会そのものへの意欲をこう語っている。
De Croky Cup is de kortste weg naar Europa, dus we hebben zeker ambitie en dat hebben we laten zien op het veld.
(訳:クロキー杯はヨーロッパへの一番の近道だ。だから野心は確かにあるし、それはピッチで見せられた。)
トルプ監督は前半の内容をこう振り返った。
Ik heb genoten van de eerste helft. We vonden vaak de juiste oplossingen, waren sterk in de duels en de mentaliteit zat goed.
(訳:前半は楽しめた。たびたび正しい解決策を見つけられたし、球際で強く、メンタリティも良かった。)
監督の「解決策」の中身は伊東のパスだった
トルプ監督の言葉は、正しい解決策・球際の強さ・メンタリティという3つの抽象的な評価で終わっている。このうち「正しい解決策」に具体的な中身を与えているのが、伊東のスルーパスである。相手の最終ラインを押し下げてからではなく、数秒前という短い間合いでデュロシンミを一人にした一本で、監督の言う「解決策」がどういうものだったかが分かる。
カップ戦は主力を休ませる場になりやすいが、ヘンクはこの一戦で決定的な仕事を伊東に任せ、実際にゴールへ直結するプレーを引き出した。ヘイマンスが「ヨーロッパへの一番の近道」と呼んだ大会への本気度は、起用そのものにも表れている。
伊東にとってヘンクは一度離れて戻ってきたクラブである。2019年に期限付きで加わり、2020年に完全移籍、2022年にフランスのスタッド・ランスへ移籍したのち、2025年8月に復帰した。復帰から1年あまりが経ったいま、カップ戦という目立ちにくい舞台でも崩しの起点になれることを、この一本のスルーパスが示した形だ。
同じ試合では、途中出場した横山歩夢も「貪欲な動きを見せ、得点に迫った」とクラブ公式に記録されているが、決定機は実らなかった。この試合でゴールに直接関わった日本人は伊東だけである。なお、伊東が先発だったかはクラブ公式の記述からは分からない。交代出場と明記されているのは横山だけだった。
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