吉田麻也「最高の仕事」出場ゼロのW杯で掴んだ新しい役割
LAギャラクシーの吉田麻也(37)が、2026年のFIFAワールドカップを一度もピッチに立たないまま終えた。3度目のW杯出場、2022年大会ではキャプテンも務めたベテランDFである。だが本人はこの経験を、クラブ公式にこう振り返っている。「これが今までで最高の仕事だ」。
現地はこう書いた
吉田は今大会、コーチングスタッフと選手の間をつなぐ「サポート役」としてトレーニング組に加わった。本人はこう語っている。
Players asked me many things, and staff asked me many things…I tried my best to increase any opportunities for us to win the World Cup by 1 percent or 1 millimeter.
(選手たちからも、スタッフからも、たくさんのことを尋ねられた……私は、我々がW杯で勝つ可能性を1パーセント、1ミリでも増やせるよう、全力を尽くした。)
代表でのプレー時間を失っていく寂しさについても、率直に語っている。
I was sad day by day, losing my time with the national team. It’s coming one day for everybody. This is the best job ever.
(代表でのプレー時間を失っていくことに、日に日に寂しさはあった。これは誰にでもいつか訪れることだ。これは今までで最高の仕事だ。)
出典: Maya Yoshida Finds a New Way to Lead Through 2026 World Cup Experience(LAギャラクシー公式・2026年8月4日)
それがどういう意味か
3度目のW杯、しかも前回大会のキャプテン。肩書きだけを見れば、今回も出場して声を張り上げる姿を想像する。しかし実際の吉田は一度もピッチに立たず、コーチと選手の間を行き来する橋渡し役に回っていた。
その役割の線引きについて、吉田自身がこう説明している場面がある。
This was the first World Cup where I didn’t get nervous before a game…it’s up to them.
(これは、試合前に緊張しなかった初めてのW杯だった……あとは彼ら次第だ。)
90分間は選手たちに委ねる。試合前やハーフタイムで助言はできても、それ以外に自分が変えられることはない——「多くのことを尋ねられた」という抽象的な支援の中身は、この「90分は任せる」という一線の引き方に具体的に表れている。
比較の軸は、吉田自身の過去にある。3度のW杯のうち2度は出場した選手として、1度はキャプテンとしてピッチに立ってきた。今大会は逆に、「緊張しない」立場から見る初めての大会だった。それでも本人は「最高の仕事」と言い切っている。出場できないことへの寂しさと、支援役としての手応えが同居する言葉である。
この経験は、ギャラクシーでの現在の姿勢にも接続されている。記事では、サンノゼ戦のような高い基準を「最低限の標準にする必要がある」という発言が紹介されており、代表で培った「助言者」としての目線を、クラブでの日々の基準づくりに持ち込もうとしていることがうかがえる。
何がまだ分からないか
「選手たちから多くのことを尋ねられた」という言葉の中身——具体的にどんな助言をしたのか、誰にどんな場面で声をかけたのかは、この記事には出ていない。抽象的な支援の実態までは分からない。
引退後を見据えたUEFA Aライセンス取得についても、いつ取得が完了し、指導者としてのキャリアがいつ具体化するのかは触れられていない。
なお、この記事が伝えるのは8月4日時点の振り返りであり、その後のギャラクシーでの吉田本人の出場状況・起用法については、この記事だけでは分からない。次にクラブ公式が本人個人のプレーに言及する記事が出た際に、あわせて確認する必要がある。
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